世界5大ウイスキーについて
世界5大ウイスキーってご存知でしょうか?
言われると『あぁ知ってる』といった内容になるかもしれませんが、厳密な定義や具体的な銘柄等は聞けば分かるぐらいの人が大半かと思います。
そのため、今回は要点をまとめて、新規参入として、注目されている台湾ウイスキーについてもここでは触れたいと思います。
世界5大ウイスキーはなにがあるの?
- ジャパニーズウイスキー
- スコッチウイスキー
- アイリッシュウイスキー
- アメリカンウイスキー
- カナディアンウイスキー
ジャパニーズウイスキーの定義
![日本国旗](https://grandpa-whiskey.com/wp-content/uploads/2024/03/28537087_s.jpg)
ジャパニーズウイスキーに関する新しい定義と基準が設けられています。これらの基準は、日本のウイスキーメーカーが長年の要請に応えて設定したもので、ウイスキーのラベルに「ジャパニーズウイスキー」と表示するために満たすべき条件を明確にしています。
新しい基準によると、ジャパニーズウイスキーは以下の条件を満たさなければなりません。
- 使用される麦芽は常に発芽したものでなければならず、他の穀物も加えることができます。
- ウイスキー製造に使用される水は日本国内で採取されたものでなければならない。
- 糖化(でんぷんを糖に変える過程)、発酵、蒸留、および熟成は日本の蒸留所で行われなければなりません。
- ウイスキーは少なくとも3年間、日本で木製の樽に貯蔵。
- ボトリングは日本国内で行われ、アルコール度数は最低40%が定められている。
- ウイスキーの着色については、キャラメル色素(E150)の使用は許可されています。
これらの基準に沿わないウイスキーは、日本の地理的な名称や日本国旗、日本を連想させる人物の名前をラベルに使用することが禁じられています。このような取り組みは、消費者に対して透明性を高め、より安全な選択を提供するための重要な一歩です。
ただし、これらの規定は協会のメンバーに対してのみ拘束力があり、全ての日本のウイスキーメーカーがこれらの新基準に従うわけではありません。また、米国の輸入業者や小売業者は、これらの新しい基準に従って製品のカテゴライズやラベリングを変更する予定です。
ジャパニーズウイスキーの独自性
ポイント
ジャパニーズウイスキーは、スコッチウイスキーの製法を基本にしながらも、日本の独自の気候や水質を活かした独特の製法で造られています。これが、ジャパニーズウイスキー独特の味わいを生み出しています。
理由
日本は四季がはっきりしており、それぞれの地域によって気候が大きく異なります。このため、同じ国内でも地域によって異なるウイスキーが生産されます。また、日本の水は軟水が多く、ウイスキー造りに適しているとされています。これらの自然条件が、ジャパニーズウイスキーの繊細でバランスの取れた味わいに貢献しています。
例
- 山崎:日本のウイスキーの草分け的存在で、フルーティーな香りと複雑な味わいが特徴です。
- 白州:清涼感あふれる森の香りと、爽やかな味わいが楽しめます。特に、水の良さがウイスキーの品質に大きく影響しています。
- 余市:北海道の厳しい気候の中で作られており、力強い味わいが特徴です。ピートを使用したスモーキーなウイスキーもあります。
私が一番好きなのは余市です!
まとめ
ジャパニーズウイスキーは、単にスコッチウイスキーを模倣しただけではなく、日本ならではの自然環境と技術の融合によって、世界的にも評価される独自のウイスキー文化を築き上げました。それぞれのウイスキーには、造り手の哲学と技術、そして日本の自然が息づいています。
![](https://grandpa-whiskey.com/wp-content/uploads/2024/03/IMG_1831.webp)
スコッチウイスキーの定義
![スコットランドの国旗](https://grandpa-whiskey.com/wp-content/uploads/2024/03/25295385_s.jpg)
スコッチウイスキーに関して、その定義と規制は非常に詳細に定められています。スコッチウイスキーは、スコットランドで製造されたウイスキーであり、大麦、水、酵母のみを使用して製造されます。(あくまでモルトの場合、トウモロコシ等が使用されればグレーンウイスキー、その二つを混ぜてブレンデッドウイスキーとなります。)
最低3年間、オーク樽で熟成され、40%以上のアルコール度数でボトリングされる必要があります。また、94.8%未満で蒸留されることで、原料由来の風味や香りを保持しています。味付けや甘味料の添加は許可されていません。
スコッチウイスキーには、シングルモルト、シングルグレーン、ブレンデッドモルト、ブレンデッドグレーン、ブレンデッドウイスキーの5つのカテゴリーがあります。
例えば、シングルモルトスコッチウイスキーは、100%大麦の麦芽を使用し、単一の蒸留所でポットスチル蒸留法により製造され、スコットランド内のオーク樽で最低3年間熟成されます。
![ウィスキーを蒸留する窯 ポットスチル](https://grandpa-whiskey.com/wp-content/uploads/2024/03/pot-stills-829182_640.jpg)
スコッチウイスキーの多彩な味わい
ポイント
スコッチウイスキーは世界中のウイスキー愛好家から高い評価を受けています。その理由の一つは、甘味、塩味、苦味、スモーキーなど、非常に多彩な味わいが楽しめることにあります。
理由
スコッチウイスキーがこのような多彩な味わいを持つのは、スコットランドの多様な地域ごとに異なる製造方法や熟成過程、原材料が使用されるためです。
例えば、ピート(泥炭)を使用してモルトを乾燥させることで、スモーキーな風味が生まれます。また、海に近い地域で作られたウイスキーには塩味が感じられることもあります。
例
- アイラモルト:ピートをたっぷり使った製造過程から、強烈なスモーキーさと海の塩味を感じさせるウイスキーが多いです。
- スペイサイドモルト:フルーティーで甘い香りが特徴的で、スコッチウイスキーの中でも特に飲みやすいと評されています。
- ハイランドモルト:地域によって異なりますが、一般的にはバランスの取れた味わいが特徴です。甘味、スパイシーさ、フローラルな香りが調和しています。
まとめ
このように、スコッチウイスキーはその産地によって多種多様なフレーバープロファイルを楽しむことができます。それぞれのウイスキーが持つ独自の風味を理解し、テイスティングすることで、より深いウイスキー体験が可能になります。
![](https://grandpa-whiskey.com/wp-content/uploads/2024/04/scotch-2060499_640.jpg)
アイリッシュウイスキーの定義
![アイルランドの国旗](https://grandpa-whiskey.com/wp-content/uploads/2024/03/24862897_s.jpg)
アイリッシュウイスキーの定義と規制については、アイルランド全島、すなわちアイルランド共和国と北アイルランド内の蒸留所で生産され、熟成されたウイスキーが対象です。
ウイスキーは最低3年間、700リットル以下の木製の樽で熟成されなければなりません。原材料は穀物と水で、ウイスキーは二重または三重蒸留されることがあります。アルコール度数は94.8% を超えることはできず、穀物から得られる香りと風味を持たなければなりません。
ブレンドウイスキーは、二種類以上のアイリッシュウイスキーを組み合わせて作られ、アルコール度数は最低40%でなければなりません。
また、ボトリングやラベリングに関しては、ポットスチル、モルト、グレーンのアイリッシュウイスキーだけが「シングル」という名称を使用でき、それは単一の蒸留所で蒸留された場合に限ります。
更に、アイリッシュウイスキーの地理的表示(GI)ステータスとアイリッシュウイスキー製品仕様の承認により、アイリッシュウイスキー製品仕様に従って生産およびラベル付けされた製品のみがアイリッシュウイスキーとして販売されることが保証されます。
アイリッシュウイスキーの特徴
ポイント
アイリッシュウイスキーは、その滑らかですっきりとした味わいが特徴です。また、独特の熱さを感じさせるフィニッシュが魅力の一つとされています。
理由
この特徴的な味わいは、アイリッシュウイスキーが三回蒸留される製法に起因します。三回蒸留することで不純物がより取り除かれ、より滑らかなテクスチャーとなります。また、アイリッシュウイスキーは一般的にピートを使用しないため、スモーキーさが控えめで、フルーティーな味わいが前面に出ます。
例
- ジェームソン:アイリッシュウイスキーの代表格とも言えるブランドで、そのバランスの取れた味わいは世界中で愛されています。
- レッドブレスト:豊かなフルーツの香りと複雑性が特徴のプレミアムウイスキーです。
- ブッシュミルズ:滑らかでマイルドな味わいが特徴で、アイリッシュウイスキーの中でも独特の位置を占めています。
まとめ
アイリッシュウイスキーは、その製法により独特の滑らかさとすっきりした味わいを実現しています。これは、他のウイスキーにはないアイリッシュウイスキー独自の魅力と言えるでしょう。
![](https://grandpa-whiskey.com/wp-content/uploads/2024/04/169567_s.jpg)
アメリカンウイスキーの定義
![アメリカ国旗](https://grandpa-whiskey.com/wp-content/uploads/2024/03/29256162_s.jpg)
アメリカンウイスキーに関しては、特に「アメリカンシングルモルト」カテゴリーに新しい定義が提案されています。この提案は、アメリカの蒸留所で100%麦芽大麦を使用し、アルコール度数80% 以下で蒸留されたウイスキーに適用され、最小3年間700リットル以下のオーク樽で熟成し、最低アルコール度数40%でボトリングされる必要があります。
新旧の樽の使用が許可されており、これはスコッチウイスキーの規制と多くの点で類似していますが、スコットランドのポットスチルのみの使用要件とは異なります。
また、アメリカンウイスキー全般に関しては、複数の異なる州で生産されたストレートウイスキーの混合、ライトウイスキーやスピリットウイスキーなど、様々なカテゴリーが存在します。
特にテネシーウイスキーは、テネシー州で法的に生産されたストレートバーボンウイスキーを指し、リンカーン郡プロセスを使用して製造されることが義務付けられています。
アメリカンウイスキーの多様性
ポイント
アメリカンウイスキーは、バーボン、テネシーウイスキー、ライウイスキーなど、多様なスタイルが存在します。これらは異なる原材料、製造法、熟成方法によって、多彩な味わいを生み出しています。
理由
アメリカンウイスキーの多様性は、アメリカ合衆国内での広大な土地と、各地域の異なる気候条件に由来します。例えば、バーボンはトウモロコシを主原料とし、新しい樽で熟成させることが法律で定められています。一方、テネシーウイスキーは特有の炭濾過過程を経て製造されます。
例
- ジャックダニエル:テネシーウイスキーの代表的なブランドで、特有の甘みと独特のスムースさが特徴です。
- バッファロートレース:複数の穀物をバランスよく使用し、長期間熟成させることで、深い味わいと複雑性を持つバーボンウイスキーを生み出しています。
- ライウイスキー:ライ麦を主原料とすることで、スパイシーでドライな味わいが特徴です。
まとめ
アメリカンウイスキーの魅力は、その多様性にあります。異なる地域、原材料、製造法によって、まったく違った景色を見せてくれます。
![](https://grandpa-whiskey.com/wp-content/uploads/2024/04/whiskey-5958516_640.jpg)
カナディアンウイスキーの定義
![カナダ国旗](https://grandpa-whiskey.com/wp-content/uploads/2024/03/28512343_s.jpg)
カナディアンウイスキーの多彩な風味
ポイント
カナディアンウイスキーは、そのブレンドの技術により、ライ麦やトウモロコシを使用してさまざまな味わいを生み出しています。これらの原材料の選択が、カナディアンウイスキー独特の風味を形成する重要な要素となっています。
理由
カナダでは、ウイスキー製造のためにライ麦やトウモロコシなど多様な穀物を使用します。これらの原材料は、ウイスキーに独特の味わいをもたらすとともに、ブレンドすることでさらに多彩な風味が生み出されます。ライ麦を多く使ったウイスキーはスパイシーな味わいが特徴であり、トウモロコシを多用したものは甘みとまろやかさを感じさせます。
例
- カナディアンクラブ:幅広い層に人気のあるカナディアンウイスキーで、その滑らかな口当たりとバランスの取れた味わいが特徴です。
- クラウンロイヤル:トウモロコシとライ麦のブレンドにより、リッチで複雑な味わいを持つカナディアンウイスキーの代表的な銘柄の一つです。
まとめ
カナディアンウイスキーは、その多彩な原材料と熟練されたブレンド技術によって、世界中のウイスキー愛好家から愛されています。各銘柄ごとに異なる味わいを楽しむことができるため、様々なシーンでの楽しみ方があります。
![](https://grandpa-whiskey.com/wp-content/uploads/2024/04/24395532_s.jpg)
台湾ウイスキー
台湾ウイスキーは、台湾で製造されたウイスキーで、最も有名な生産者はカバラン蒸留所です。
台湾のウイスキー産業は若いため、法律や伝統による標準的なスタイルは確立されていません。
この自由な環境が、生産者に実験や革新の機会を与えています。台湾の亜熱帯気候は、ウイスキーの熟成をスコットランドやアイルランドよりも2~3倍速く進めることができ、一般的にクリーミーな特徴を持ち、亜熱帯果実のノートが感じられます。
台湾はウイスキーを熟成するのに有利ってこと?
全然そんなことないみたいです。
むしろ亜熱帯地域の気候のせいで、熟成したいのに、スピードが早すぎて、樽の中身が空になるほどのスピード感とのことです。そのため、ウイスキーを作るのは台湾では難しいとされていたみたいです。
しかし、熟成期間が短くても、長期熟成したかのようなウイスキーになるのは一つの魅力かと思います。
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